尿失禁治療
排尿の意思がないのにも関わらず、尿を漏らしてしまうことを尿失禁と言います。この場合、原因はひとつではありません。
例えば、骨盤底筋群と呼ばれる膀胱などの臓器を支える筋肉が加齢や出産などによって弛緩してしまい、腹部に力が入る際(重い荷物を持ち上げる、くしゃみをする 等)に尿漏れが起きるとされる腹圧性尿失禁(女性が多い)があります。さらに何の前触れもなく、突然の尿意によって我慢できなくなって漏らしてしまう切迫性尿失禁が起きることもあります。なお切迫性の場合は、脳血管障害(脳梗塞 等)や過活動膀胱、前立腺肥大症、骨盤臓器脱など何らかの病気が原因になることが多いです。
そのほかにも、尿路が何かしらの原因で閉塞、あるいは排尿筋が弱まることで、少しずつ尿漏れが起きていく溢流性尿失禁、さらに排尿機能は問題ないものの、運動機能の低下(歩行障害 等)や認知症によって、排尿がうまくできずに漏らしてしまう機能性尿失禁というケースもあります。
どのタイプの尿失禁か診断をつけるにあたっては、まず排尿日誌を数日記入し、尿失禁の程度を確認していきます。その後、尿検査、padテスト(水分を摂取してから、1時間程度決められた運動や動作を行う)、経腹的超音波検査による残尿測定をすることで大半の失禁の原因は判定できるようになります。
治療法はタイプによって異なります。腹圧性尿失禁の患者様で症状が軽度であれば、骨盤底筋群などを体操などで鍛えていきます。改善が難しい場合は、手術療法(TVT、TOT)となります。切迫性尿失禁の場合は、薬物療法(抗コリン薬 等)のほか、行動療法(膀胱訓練、飲水量のコントロール、骨盤底筋訓練 等)も組み合わせていきます。溢流性尿失禁の場合は、尿道閉塞の原因となる治療やカテーテルを尿道から膀胱に入れることで尿を取り除いていく導尿法などがあります。また機能性尿失禁であれば、運動機能を向上させるリハビリテーションなどを行っていきます。
骨盤底筋治療
骨盤底筋体操
尿道の周りの骨盤底筋を鍛える体操のことを骨盤底筋体操と言います。この場合、肩やおなかの力を抜き、リラックスした状態で、おしっこを途中で止めるようなイメージで肛門と膣、尿道にゆっくりと力を入れていきます。おなかに余分な力を入れないよう、肛門と膣と尿道だけをきゅっと締め、その後息を吐きながらゆっくり緩めます。締めている間も、呼吸は止めないようにしましょう。体勢は仰向けやうつ伏せなどから始め、徐々に座位や立位など、色々な体勢で行うようにします。ゆっくり5秒数えるまで締めた状態を保ち、可能であれば1日4~5回、この運動を繰り返しましょう。
また、コーヒーなどの利尿作用のある飲み物の摂取を減らす、便秘を改善する食事を心がけたりするといったことも、骨盤底筋に負担を与えないために大切です。
エムセラ
当院では、尿失禁でお悩みの方にエムセラは磁力を使い深さ約10cmまでの骨盤底筋(骨盤の底の穴を塞いでいる板状の筋肉で、排尿や排便に関係しています)を鍛えることができます。服を着用したまま、28分間座っているだけで骨盤底のトレーニングが可能です。
骨盤的機能を回復させることにより、尿失禁を改善していきます。
料金
※税込み価格です。
- エムセラ
- 1回 8,500円
6回券 45,000円
※ 7回以降 1回6,500円